お通夜に行けない奥さんと何もできない私。
私は地元の寿司屋でアルバイトをしている。
大将ご夫婦とその息子さん、社員さんの4人で切り盛りしている小さなお店である。
皆さんとても優しく、中でも大将の奥さんは
「お腹減ってない?」「あれ食べる?」
と、私を気にかけて下さる、明るくていつも笑顔な方だった。
私はそんな奥さんのことが大好きなのだが、先日出勤した際、奥さんがため息ばかりついていた。
何となく元気もないように見えた。
気になって尋ねたところ、どうやらご夫婦の親戚の方が亡くなったらしく、その日はその方のお通夜だという。
行きたいのだが、予約のお客様もいる。
どうしても行けなかった。
聞けば、お通夜の開始は19:00で、店から1時間半から2時間ほどかかる場所らしかった。
どう足掻いても、当時20:00を過ぎたところだった時点で、奥さんがお通夜に行ける可能性はないに等しかった。
私がこの店で働き始めて3ヶ月ほど。
「お店のことは私に任せて、今からでも行ってきてください」
とはとても言い難い。
ため息をついて、「行きたかったな」とこぼす奥さんに、私は何もできなかった。
もっと私が頼れる存在だったら。
普段奥さんと2人でしている、ホールの仕事を私ひとりで出来るほど成長していたら。
私は奥さんに何か出来ていただろうか。
今回のブログは、私の自戒である。
特に実のない話だが、それでも私はこの話をどこかに書き留めておかなければと感じている。
お付き合い下さりどうもありがとうございました。