中学時代の同級生にネットストーカーされそうになった話
高校一年生の冬。
中学卒業以来、連絡すらとっていなかった異性の同級生から連絡が来た。
「久しぶり!元気しよる??」
中学時代、そこそこ話す仲でしかなかった彼からの連絡に、少し戸惑いを覚えつつ、「元気だよ!」と返す。
そこから他愛もない話をするようになりだした。
当時うつ病を本格的に患い、通信制高校に通っていた私は、久しぶりの「友達」との会話に浮かれていたのかもしれない。
或いは異性からの突然の連絡に、恋愛的な期待もしていたかも。
「俺今病んでてさ。話聞いてくれん?」
いつものようにDMで話していた時、こんなことを言われた。
それは当たり障りのない、相談事の始まり方で、私も自分が同じような状況だからこそ、話を聞くことにした。
私と彼は、小学校からの同級生。
小・中の彼の印象は、「頭が良く、真面目な人」
クラスの役員になったりする程、本当に真面目な印象だったから、彼からこの相談を受けた時、凄く心配したのを覚えている。
そして、それほど真面目だったからこそ、様子がおかしくなった彼が、本当に私の知っている彼なのかにわかに信じがたかった。
彼の様子がおかしくなり始めたのは、この相談からだった。
些細なことだが、苗字で呼ばれていたのが、名前呼び捨てに変化した。
都合上、私の仮名を「さゆり」としよう。
「さゆり何してたん?」
「さゆり可愛いよな」
可愛いと言われて、少し浮かれていた自分も居た。
しかし、相談を持ちかけてきた割には、一切そういった話がないことだけが引っかかっていた。
初めの絡み方はこの程度だったが、段々と様子がおかしくなっていった。
これは当時のDMのスクショである。
このようなメッセージが、私が何を言おうとも延々と送られてくるようになった。
これは性別関係なくわかって貰えると思うのだが、好意を寄せていない人物から、冗談でなくこのようなメッセージが送られてきたら怖いと感じるのが普通である。
私も1秒単位で送られてくるメッセージに戦々恐々した。
またこれの他にも、
「今からさゆりの家行く」
「今さゆりの家の前に居る」
と言われたりもした。
小さな田舎町で育った私たちは、お互いの家を把握しているし、ものの数十分で向かうことが出来る。
今思うえば、この時点でブロックし、関係を断ち切るべきだった。
それでも先程も書いたように、彼は真面目な人。
人のいい彼を知っていて、仲良くしていたからこそ、このDMを信じられず、私はトークを続けてしまった。
それから「しゅきしゅき」言われるDMに、軽く流す日々が続いた。
また、家へ向かう、等の連絡は徐々に無くなっていた。
連絡をする頻度を減らし、徐々にフェードアウトさせていこうと考えていた気がする。
読んでくださってる方の中には、私のことを「馬鹿だろ」と思う方もいるかもしれない。
でも当時の私はお人好しなレベルで彼を心配していたし、中学時代の友人が変になってしまっては後味が悪い。
その後一週間ほどが経った。
ここで1つ、ある友人からのDMを掲載しようと思う。
嫌な予感がした方。ご明察です。
彼は、私たちの共通の知り合いのアカウントを半分乗っ取り、連絡してくるようになったのだ。
私だけならまだしも、友人(余談だが、中学時代の想い人だった)まで巻き込むなんて、とついに堪忍袋の緒が切れた。
ここからは当時のDMが消えてしまっているため、実際のスクリーンショットを載せれないのが残念なのだが、
「いい加減にして、さすがに引いてる」
的なことを言った気がする。
彼からの返信は、「ごめん」の嵐。
「ごめん、俺が悪かった」
「さゆり嫌いにならないで」
「さゆりしゅき」
またもや1秒単位で送られてくるメッセージ。
ドン引きして返信できずにいた私の元に届いた次のメッセージ、
「さゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆりさゆり」…
スクロールしても終わらない、1面の「「さゆり」」
本当に当時のDMが残っていないのが悔やまれる。
家の前に居ると言われた時よりも、意味のわからない「しゅきしゅき」DMが届いた時よりも、何よりも恐怖したのを覚えている。
この瞬間全てのSNSで彼をブロックした。
あれから約3年。
彼からの連絡は、友人のアカウント含め一切ない。
私のブロックで心を入れ替えたのか、はたまた新しいターゲットに乗り換えたのか…。
そこは私には分からない。
様子のおかしくなった彼と連絡をとっていたのは、たったの3週間ほどである。
それでも、ブロックしてから数ヶ月は、家の前に彼がいるのではないか、と怯える日々が続いたし、今でも彼に似た人を見かけると反応してしまう。
実害はほぼなかった。
だがあの日ブロックしていなかったら、いや、もっと親身になっていたら。
当時よりも固執され、実害が出ていたかもしれない…。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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